カタルマンが語る

アニメ、漫画、ゲーム、特撮が好きな男が好きな作品について語るブログ

「まきますか?」「まきませんか?」『ローゼンメイデン』を語る

最初に言っておく、一発でネタ切れしてたわけじゃないよ?
…という言い訳をしつつもはてなブログから「1か月投稿がないよ」というメールが来ていたのは確かである。ちょっと焦りつつ更新をしなければという謎の使命感を胸に今日も感想を語っていきたいと思う。

さて、そんな今回何について語ろうかと思った際に自宅の本棚を確認した際にふと目にとまった作品…それは、『ローゼンメイデン』である。実は私自身この作品にはまったのは二年ほど前でそれまでタイトルは聞いたことはあったが観たことない…そんな作品だった。
…が、しかしそんな私はどっぷりはまった。それくらいはまったこと言うと…アニメを見終えてから速攻で近所の本屋やブックオフで漫画版を探しに探し続けて全く見つからず絶望にかられるほど探し続けていた…それくらいドはまりしました。(ちなみにそのことを友人に相談した際に持ってるからあげるよという友人の最大限のやさしさの元受け取りました)…というわけで今回はそんな友人の協力の元手に入れた漫画版Rozen Maidenについて語りたいと思います。

 

あらすじ

例のごとくまずはあらすじをば…

物語の主人公「桜田ジュン」はとある事情で引きこもりになってしまった中学二年生。そんな彼の趣味は通販で買ったインチキ商品を期限ぎりぎりでクーリングオフするというものだった。ある日そんな彼のもとに「まきますか」「まきませんか」という書き出しではじまる一通のダイレクトメールが届く。興味本位で「まきますか」に丸をつけたジュン。翌日彼のもとに届いたひとつのカバン。その中に入っていたのは一体のアンティークドール。彼はドールの薇を巻く…すると、彼の前で動き始めるドール…そのドールは自らを「ローゼンメイデン第5ドール真紅」と名乗る。真紅の態度やとる全動き始めたことに不信感全開で接するジュン…しかし、真紅とジュンが謎の襲撃を受けたことで二人は契約。そしてローゼンメイデン同士の戦い『アリスゲーム』に挑んでいくこととなるのだった…

ローゼンメイデンってなんなの?

この物語において重要な存在であるローゼンメイデンとはなんなのか、まずは解説していきたいと思う。
ローゼンメイデンとは、人形師ローゼンが作り上げたとされる生きた人形といわれるほど繊細に作られた人形第1ドール~第7ドールまでの7体が存在する。彼女たちの目的は至高の少女アリスとなり彼女たちを作った父であるローゼンに会うこと…である。そのためにローゼンメイデンたちはそれぞれの命ともいえる存在『ローザミスティカ』を集める戦い、アリスゲームに参加していくのだった…
…ちなみに各ドールは第1ドールから順に
他のドールよりもアリスへの強い執着を見せる第1ドール 水銀燈
自称策略家だがどこか抜けている第2ドール 金糸雀
今でいうツンデレな雰囲気で妹思いな庭師の第3ドール 翠星石
翠星石の双子の妹でありマスターに対する忠誠はドール1である第4ドール 蒼星石
物語の主人公桜田ジュンと契約したドールであり戦うことなくアリスゲームを終わらせるすべを探す第5ドール 真紅
子供のようなかわいさとやさしさを持つ第6ドール 雛苺
そして物語の裏で動いている第7ドール 雪華綺晶

となっていてそれぞれの個性も作品の魅力となっていると考えています。

みどころ

今回も未読者向け、既読者向けに分けて感想を語っていきたいと思います。

[未読者向け]

この作品、ローゼンメイデンたちに目が向けられがちなのですがそれと同じくらい人間関係や人間の成長について語られる作品となっています。その理由として各ドールにはそれぞれマスターと呼ばれる契約者のような存在がセットになって存在しています。そのためローゼンメイデンとの関わりやほかのマスターとの関わり、アリスゲームに対する想いを受けて自らの中にある考えや世界が変わっていく…そんな物語の構成になっています。
その影響を一番受けている人物こそ主人公である桜田ジュンであると考えられます。彼自身はあらすじでも語った通り引きこもりの状態であり彼の姉であり海外で働いている両親に代わり彼の世話をしているのりに対しても嫌悪を抱いている、そんな状態でした。しかしそんな彼は真紅との出会いに始まり、アリスゲームやほかのドール、マスターとの関わりを介して成長をしていきます。そして明らかになる彼が引きこもりになる原因…これは辛いよなと思いながら読み進めていきましたな。
また、同様にもう一人、アリスゲームやドールとの関わりによって変わることができた人物がいます。その人の名は結菱一葉。第4ドール蒼星石のマスターである彼は今作の中で数少ないローゼンメイデンを利用し自らの目的を果たそうとした人物であり序盤の物語における悪役といえる立場の人間です。なぜ彼が蒼星石を利用しようとしたのか、またなぜ蒼星石は彼に素直に従ったのかその二点は序盤の物語における感動エピソードとなっているのでお勧めしたいです。
また、本編の内容とは関係ない部分ではありますが本作のイラストはなかなかにきれいなものに仕上がっていると思います。どことなく少女漫画チックなデザインを思わせるデザインですがアンティークドールっぽさを十分に感じることができるイラストになっています。(…といいつつアンティークドールなんてあまり見たことない私です)

[既読者向け](ネタバレ注意)

…このブログにて本当に見どころだと思う部分を語るために全巻改めて読みなおしました。そのうえでこの作品の見どころだと思う点…それは人間とローゼンメイデン、それぞれの変化と成長だと感じました。その中でも特に変化があったと思える人物…それこそが未読者向け感想でも述べた桜田ジュン及び結菱一葉だと考えました。まずはこの二人の変化について焦点を当てていきたいと思います。

・結菱一葉の変化と翠星石蒼星石
結菱一葉。彼は双子の弟、二葉の幻影に憑りつかれた悲しき男です。そのため、弟の思いを振り切るために弟を愛した女性の心を翠星石蒼星石の力で壊そうとたくらんでいました。そんな一葉から逃げ出した翠星石でしたが蒼星石は逃げ出しませんでした。なぜ逃げなかったのか…それは二葉の幻影に憑りつかれた一葉の中に自らの姿を重ねたためであった…蒼星石の思い、それは「自らの中にある翠星石の姿を断ち切り『本来の自分』を取り戻すこと」だった。その思いは一葉も同じ…彼も自らの中にある二葉の姿を断ち切って本来の自分自身を取り戻すことが目的で翠星石蒼星石を利用していた…ということが真実だった。

「私が殺してしまいたかったのは彼女でも二葉でもない。もう一人の私…二葉の姿を借りて私の心をつなぎとめる…私自身の影‼」
「マスター…それが貴方の本当の望みなの…?僕も同じだった。半身なんかじゃない本当の自分自身になりたくてもがいてあがいて、そうして自分を探すあまり気づけば自分自身の影にがんじがらめに縛られていた。だから僕は貴方の望みを叶えてあげたかったんだ。そうすることで僕自身も抜け出せる気がしてそれであなたが解き放たれるなら、僕は叶えたい…‼」
                                                                       新装版Rozen Meiden 4巻より

…このあたり、大好きです。そして、読み返していてやっぱり翠星石蒼星石好きだな…と思えるそんな話でした。この二人にはいつまでも一緒に幸せでいてほしいなぁ…って思ってましたよ…チクショウ、水銀燈…(かわいいからあのシーンは好きだけど)
…そしてその後、蒼星石を失った翠星石と一葉。この二人の関係にも変化が訪れます。それまでは一葉のことを忌み嫌っていた翠星石も彼のことを蒼星石のマスターとして認め蒼星石を守ることを約束させます。もうこの物語第二の主人公なんじゃないかと思いましたよ一葉は…

桜田ジュンローゼンメイデンたち
そして、主人公である桜田ジュン。彼はローゼンメイデンたちとの関わりの中で徐々に成長を遂げていきます。ある時は目覚めない真紅を助けるためにいままで出ようとしなかった部屋を出てのりに助けを求め、またある時は悲しむ雛苺が食べたいと望むうにゅー(イチゴ大福のことを指す)を買うためについに家を出る。彼は引きこもってしまうきっかけを受けて以降自分を守るために家にこもり逃げ隠れる術を覚えた。しかし、そんな彼はドールたちとの出会いを経て立ち向かう力を身につけたのだった…
そして、そんな彼は次第にドールたちにも影響を及ぼすことになった…ある時は片腕を失った真紅を水銀燈から庇い…

「…もうやめろよ。今日のゲームはオマエが勝ちを奪って目的は果たせたんだろ。もうこれ以上こいつらを苛めるな…どうしてもやりたいならぼ…ぼぼぼ僕が相手になってやる…ッ」
                                                                      新装版Rozen Maiden 4巻より

またある時は真紅を傷つけた敵である水銀燈に手を差し伸べ…

「君は…嘘……ッ、寂しいんだッ、目を逸らして…真実から…君は壊れないッ」
                                                                     新装版 Rozen Maiden 5巻より

そんな彼は最後にもう一度選択をする…雪華綺晶に囚われた真紅を、そして、運命の歯車が狂わされたローゼンメイデン達を助けるために…扉を開ける選択を…

「ジュンくん…」
「夕飯に間に合うかわからないけど…ちょっと待たせるかもしれないけど、心配しないで必ずみんな一緒に戻ってくるから。だから待ってて」
「行ってらっしゃい、ジュン」
「さぁ坊ちゃん、選択を」
「僕は扉を、開ける」
                                                                      新装版Rozen Maiden 7巻より

…いや、このラストシーン本当に好き。最後の最後に弟の成長を見届けたのりがはじめてジュンのことを「ジュン」って呼ぶシーンとかほんと最高に好き。ってかマスターでもないのにのり自身も4体ものドールと関わり持ってるし適応能力高いしでほんとすごい人物だよなぁ…と読むたびにぼかぁ思いましたよ。

とにかく、この作品ってドールたちが人間に影響を及ぼすことも逆に人間たちがドールに影響を及ぼすこともどちらも描かれているってことが個人的にポイントでありみどころなのかなと思いましたねぇ…

結論?

…これが私のRozen Maidenに対しての語りになります。正直まだ伝えたいことの半分も伝えられていない…のですが、まぁ問題はないかなと思います。このブログを読んで気になった方はぜひとも買って読んでみてほしいですし7巻完結なんで読み終わるまでそんなに時間もかかりませんし続きがどうなるんだろうって気分に浸れること間違いないですよ。ってなわけで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローゼンメイデン』について語る

「前編」を終了したいと思います‼

 

真意について

「え?前編ってなんで?」って方のためにちょっとばかし補足を…ここだけはネタバレになりますが『作品としてのローゼンメイデン』は第1部というべきRozen Maidenとその先を描くローゼンメイデンの二部構成でできています。

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Rozen Maiden(新装版全7巻)

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ローゼンメイデン(全10巻)

 

そのため、この作品を紹介する際にどうしようと悩みました。悩んだ結果1か月が経過していました(ここは嘘です。単にリアルが忙しかっただけですすいません)

悩んだ結果「なら分割紹介にしよう」という結論にたどり着きました。なので次回語る作品は今回語った作品の続き『ローゼンメイデン』について語りたいと思います。できれば8月前半中に更新できるよう頑張っていきたいなぁと思っています。気長に待っていただければ幸いです。

では今回はこのあたりで記事は締めさせていただきます。
また次のブログでお会いできればと思います。最後まで読んでいただきありがとうございます。